御曹司のとろ甘な独占愛
 二人の視線が、絡み合った。
 跪いた伯睿が、一花だけに、とろけるような甘い笑みを浮かべ――

「全ての『華翡翠』コレクションを、俺の愛する人へ捧げます」

 時が止まったかのようだった。



 しんと静まりかえった会場の中、伯睿はそっと、一花へ手を差し伸べる。


「一花――きみを永遠に大切にします。俺と結婚してください」


 一瞬で、心は幸福な感情でいっぱいに満たされた。
 一花はきゅうっとなる指先を胸の前で握りしめる。

 嬉しさと、切なさと、幸せが全てごちゃ混ぜになって、涙腺がもろく崩壊した。


 眩しいほど幸せな感情に目を細める。

「……はい…………っ!」


 そして伯睿が差し出した手へ、そっと左手を重ねた。



 花が綻ぶような一花の美しい微笑みに、伯睿は自分が泣き出してしまうのではないかと思った。この上ない幸せを噛み締める。

 一花の薬指へ、慈しむように指輪をはめた。



 一花の薬指には世界で一番美しい指輪がキラキラと幻想的に輝く。
 彼女は、思い出の詰まった翡翠の煌めく手のひらを抱きしめて、静かに涙を流した。

 客席から一斉にたかれるフラッシュが眩しい。


 幸せに包まれながら二人は見つめ合い、その双眸に愛情を滲ませる。

 伯睿は湧き上がる幸福な感情のままに、一花を抱きしめ──そっと、誓いのキスをした。
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