御曹司のとろ甘な独占愛
 伯睿に唇を啄ばむような甘く優しいキスをされ、一花は微かに唇を開く。逃すまいと熱い舌が捻じこまれ、一花の舌を丹念に優しく撫でた。
 まるでマシュマロを転がすかのような、熱っぽく、柔らかな舌の動きに、一花は翻弄される。とろとろに蕩けてしまいそうなほど、気持ちが良かった。

 伯睿はそのまま一花の腰を抱き寄せて、うなじに手を這わせ、首元、肩へと艶めかしく手のひらを這わせる。
 そして、胸の膨らみへそっと手のひらを滑らせた。

 やわやわと、最初は柔らかく撫でるように……。次第に長い指先を使って形を確かめるように愛撫され、蕩けるようなキスと合わせて、一花の頭の中は真っ白になる。

「はっ、はくえい! こ、こんなところで……ダメだよ……っ」

 秀麗な伯睿の欲情したような熱い視線に、羞恥心で身体中が熱くなる。伯睿に愛撫された部分が、同じような種類の熱を持って、一花をじわじわと侵食していた。

「じゃあ、寝室へ行きましょうか」

「そうじゃなくて……っ」

 薄紅色に頬を染めて蕩けたような顔をする一花に、伯睿は喉をごくりと鳴らした。
 さらに上目遣いで「ダメ」と言われてしまえば、この熱は止められそうにない。甘く疼く欲情を、もう止められそうにはなかった。

 伯睿は一花の膝の裏に腕を回し、お姫様のように抱き上げる。

「きゃっ!」

 突然の浮遊感と体の熱っぽさに、なんだかくらくらした。
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