御曹司のとろ甘な独占愛
常盤様はクスクスと上品に微笑むと、上機嫌に照明に指輪をかざした。
「あぁ……キレイ。氷翡翠とダイヤモンド……幸せだわぁ」
無色透明、最高品質の氷翡翠とメレダイヤがまばゆい光を放つ。
常盤様はうっとりと指輪に魅入った。
彼女は台湾旅行へ行った際に貴賓翡翠の翡翠と出会い、翡翠の虜になったそうだ。それ以来何度か台湾にある本店に通い、十年前、日本に東京本店が出来てからはずっとここのお得意様だった。
そんな常盤様と一花の繋がりは、常盤様の担当者が産休中だったため、たまたま一花が接客を担当をさせていただいたことに始まった。
当時一花は新入社員のひよっこ販売員。
上手な接客もできていなかったはずの一花を、「翡翠に一生懸命なところが健気〜っ!」と何故だか気に入ってくれたらしい。それからは「山越さんをお願いします」と一花を指名してくれている。
一花にとっての常盤様は、大切なお客様であり、尊敬する翡翠愛好家であった。
最近の品なら自社の資料で勉強することができるが、十年以上前の作品について詳しく教えてくれる人は、彼女以外にいない。
普段は見られないような貴賓翡翠のハイジュエリーを来店ごとに見せてくれたり、コレクションについて色々な意見を伺うことは、一花にとって貴重な機会だった。
「あぁ……キレイ。氷翡翠とダイヤモンド……幸せだわぁ」
無色透明、最高品質の氷翡翠とメレダイヤがまばゆい光を放つ。
常盤様はうっとりと指輪に魅入った。
彼女は台湾旅行へ行った際に貴賓翡翠の翡翠と出会い、翡翠の虜になったそうだ。それ以来何度か台湾にある本店に通い、十年前、日本に東京本店が出来てからはずっとここのお得意様だった。
そんな常盤様と一花の繋がりは、常盤様の担当者が産休中だったため、たまたま一花が接客を担当をさせていただいたことに始まった。
当時一花は新入社員のひよっこ販売員。
上手な接客もできていなかったはずの一花を、「翡翠に一生懸命なところが健気〜っ!」と何故だか気に入ってくれたらしい。それからは「山越さんをお願いします」と一花を指名してくれている。
一花にとっての常盤様は、大切なお客様であり、尊敬する翡翠愛好家であった。
最近の品なら自社の資料で勉強することができるが、十年以上前の作品について詳しく教えてくれる人は、彼女以外にいない。
普段は見られないような貴賓翡翠のハイジュエリーを来店ごとに見せてくれたり、コレクションについて色々な意見を伺うことは、一花にとって貴重な機会だった。