『 』
翌日 朝早くに目が覚めたために旅支度の買い物に出た。
何が必要か…と考えているとジョンが買い物に付き合うと言い出したために共に街へと出かけた。
「アイカちゃーん」
「あ!!布屋のおじさんおはよう!!」
「買い物かい?」
「うん!!マントとか毛布とか袋とか買おうと思って……」
「それだったらうちに任せな!!」
布屋の親父は
店のものに言って上等で長持ちするマントと毛布と大きな肩掛け袋を用意してくれた。
「値段は3千クィだよ」
「え!!こんなに上等だしそれに二つも買うのに…!!」
「今はセール中だからね安いんだよ」
確かに店中に値下げの文字の垂れ幕がしてある
「それから、いつもグラシエでお世話になってたからねぇ。これ手袋、贈り物だ持ってってくれ!!」
「え!!いいんですか?」
「ああ、持っていきな」
親父に進められるままにそのマントと毛布を買い手袋をもらって次の店へと向かった。

「いいのかい?アンタ」
「おお?なにがだ?」
「もー会えなくなるんだよ?お別れくらい…」
「いいんだいいんだ!!あの子もそんな湿っぽいのは好きじゃないからさ」
「アンタ…」
「旅の途中にでも気づいてくれればいいんだよ」
「刺繍?」
「ああ」

次は…と考えて
着替えをと思い仕立て屋に入った。
「こんにちはー!!」
「あらアイカちゃんいらっしゃい」
「おばさんこんにちは
新しい服を4着くらい調達しようと思って来たんだけど私に合うようないい服あるかな?」
「ここは仕立て屋だよ!!ドレスも街服も旅装束も寝間着だって…何でもあるよ!!
いいものがあるんだちょっと待ってな」
と言いながら奥に入っていった
「ほんと!?ありがと!!」
仕立て屋のおばさんの言葉に目を輝かせ待っていると15分ほどで奥から戻ってきた
おばさんの手には4着の服が下がっていた。
「これがねぇいい生地なんだけどなかなか売れなくてずーっと眠ってたんだ。買ってくれるかい?」
その服をじっくりと眺め気に入ったと頷き
「この服をください」
そう笑って見せた。
「そうかい!!買ってくれるかい!!代金は5千クィでどうだい?」
「え…もっとするんじゃ……」
「いいのいいの!!今日は大体のお店がセール中だからねうちもセールなんだよ」
確かに布屋と同じように値下げの垂れ幕がしてある
「おばさんありがとう!!」
「いいんだよ。それからねこの帽子も持っていきな。冬だからねぇおばさんが作ったんだ」
「いいの?」
「いいのいいの!!」
「ありがとう」
お金を支払って店を出た。なにか今日はついてる気がする。
旅支度だけで
10万クィはなくなると思っていたのに……
他の店でもそんな感じだった調達物が安く買えてみんながおまけをくれた。
最後に馬を買うために牧場に赴いたがここはいい馬がなく売れるような馬がないと売ってもらえなかった。
次の街まで歩いて旅をするのか…と肩を落とグラシエに戻った頃にはもう日が暮れていた。
肩を落とし部屋に戻ると風呂に入り飯を食って早めに寝た。

明日には出発だ。
みんなとの時間を過ごしたかったが誰も店にはおらず少し残念だった。
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