軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「こ、皇帝陛下?」


(レイヴンが?)


 言われてみれば、彼は人に命することに慣れた様子だった。


人を惹きつけ従わせる魅力、他者を圧倒する威厳、それらを持ち合わせている彼が皇帝だということには納得がいく。


「でもまさか、皇帝陛下だったなんて……」


 戸惑っている合間にもレイヴンたちはなにやら話を進めており、気づけばそのまま宮殿へ連れて行かれることになった。



 芸術の国にふさわしい天井画や黄金の細工がされた柱。上から吊り下げられているのはゴールドのシャンデリアで、太陽をそのまま連れてきたかのように広間を隅々まで照らしている。


 また、赤いカーテンで統一された窓からも光が差し込み、ここが天上の国のように錯覚しそうになった。


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