軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「セレア」
もう一度名前を呼ばれ、手を差し出された。
(この手を取れば、私は本当にレイヴンのものになるのね)
恐れと不安と、なぜか喜び。複雑な感情が胸の内に広がり、苦しくなる。
レイヴンの心が自分に向いていたのなら、こんなに迷うこともなかったのだろうか。
なんにせよ、ほかに行き場もないセレアは断ることができない。今この申し出を断れば、夫婦であることが認められずに宮殿にいられなくなってしまうからだ。
セレアはゴクリと唾を飲み込んで決意を固めるとゆっくり彼に近づく。恐る恐る手を重ねた途端、強く腕を引かれて気づけば寝台に押し倒されていた。