軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


吐息が首筋にかかり、ゾクリと感じたことのないような痺れが体中を這う。


(この心地いいような、くすぐったいような感覚はなに?)


「美しいから守りたい心と、壊したい心とがせめぎ合っている」

「あっ」


 その唇が首筋を軽く吸った瞬間、セレアの口から甘い声が漏れた。


自分の声なのに、他人のもののように聞こえて、恥ずかしさから涙がこぼれる。その雫はすぐに、彼の舌によって舐めとられた。


「この感覚はなんだ? お前のすべてを俺で満たしたいと激しく欲している」


 胸の中にある正体不明な感情の答えを探すように、レイヴンはセレアに触れる。彼も戸惑っているように思えた。

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