軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


(急にどうしたっていうの?)


 目を白黒させていると、「はあっ」と呆れ交じりのため息が聞こえた。


視線を向ければ、王座の真横に立つ軍事司令官のべリエスが薄っぺらい笑みを浮かべたまま、レイヴンを見ているのに気づく。 


「皇妃様の感動の再会を邪魔するなんて、嫉妬がすぎますよ陛下」


(え、嫉妬?)


 弾かれるようにレイヴンを見上げると、ばつが悪そうに視線をそらされる。その反応がそうだと認めているようで、心臓がドキリと跳ねる。



< 143 / 281 >

この作品をシェア

pagetop