軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「カエトローグ島が、今後どう動くのかわからない。アグニ、お前もしばらく宮殿に滞在しろ」
(私たちをこの国に置くだけでも迷惑がかかるでしょうに、レイヴンは優しいのね)
幼馴染のアグニを宮殿においてくれるレイヴンの厚意に、セレアの心は熱くくなった。
「感謝いたします、皇帝陛下」
「敬語はやめろ。いつも通りで構わん」
不快な顔をするレイヴンに肩の力を抜くアグニ。そして、「ありがとう、レイヴン」と言って笑った。
出会った当初はギスギスしていたふたりだったが、案外気が合うのかもしれないと温かい気持ちで見守る。