軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「迷惑じゃなければ、仕事をくれないだろうか。世話になるばかりは性に合わないんだ」
「それなら、私のところに欲しいですね。猫の手も借りたいくらい忙しいので」
率先して手を上げたのはべリエスだった。
「なら、お願いします!」
アグニが勢いよくお辞儀をするとレイヴンの顔が曇った。それを不思議に思って見つめていると、同情するような苦い顔をする。
「俺は、お前がいいなら止めないが……」
(歯切れの悪いレイヴンなんて、見たことないわ)
濁したような言い方に幼馴染の今後が少しだけ心配になったが、アグニのやる気満々な姿を見たら口を挟めなかった。