軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「では、ついて来てください」

「あ、はい! セレア、後でゆっくり話そう」


 べリエスの後を追って、広間を出ていくアグニ。その場にレイヴンとふたりきりになり、なんとなく気まずい空気が流れた。


だが、皇帝である彼の許しがなければ勝手に広間を出ることはできない。


なのでセレアから部屋に戻ってもいいかを伺わなければならないのだが、喧嘩の後味の悪さが尾を引いているのか、切り出せないでいた。


「セレア、アグニと会えて嬉しいか?」

「え? それはもちろんです」

「そうか……」


 声をかけてもらえたと思ったのに、どういう意味の質問なのかがわからず、会話を広げることができなかった。


< 147 / 281 >

この作品をシェア

pagetop