軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
(アグニのことを好きだって、まだ勘違いしているのかしら)
初夜の日にほかに好いた男がいるのかと聞かれて、真っ先にアグニの名前が彼の口から出たのを思い出す。
確かにセレアにとってアグニは大切な存在であるが、幼馴染としてだ。ひとりの男性として愛しているのはレイヴンだけだというのに、おそらく伝わっていない。
「お前を守りたいと思っている」
(守りたいって……)
心臓がトクンッと鳴り、その真意を問うように彼を見上げた。視線が重なると、レイヴンの指先がセレアの唇に触れる。