軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「部屋に戻ります」
(これ以上、ここにいるのは耐えられない!)
できるだけ気丈な声で言った。涙でぐちゃぐちゃの顔を見られまいと俯いて、踵を返す。
「待て、行くな!」
でもすぐに腕を掴まれ、そのまま苦しいほどに抱きしめられてしまった。胸の前に回る彼の腕にそっと触れて、震える息を吐き出した。
「どうして、引き留めるのです?」
(簡単に手放せるのなら、私にはその程度の価値しかないのでしょう?)
彼の顔を見られずに下を向いていると、後ろから伸びてきた手に顎を掴まれる。強引に上向かされ、荒々しく口づけられた。