軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


 そのため、かなり危険な橋を渡ることにはなったが、パゼル国と秘密裏に商業取引をしているというイザナギ帝国の男の力を借りて不法入国した。


 自分でも驚くくらいの行動力だと、驚いている。


 その男には両国が和解して、堂々と商業ができるようにしてほしいと頼まれた。


彼だけじゃない、ここにいる民は今までの戦で愛する人や家族を失った者がほとんどで、誰もが戦の終結を望んでいる。


「みなさん、ここからが正念場です」


 吹き荒れる風が銀の長髪を巻き上げる中、どこまでも澄んだ空のような瞳で告げた。


 今までお飾りの聖女としてでしか、価値を見い出されなかった。


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