軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「あれは聖女ではなく、気高き俺の皇妃だ」
(俺の皇妃……)
独占欲を見せつけられたようで、セレアの頬がポッと赤く染まる。
熱い視線を送ってくるレイヴンにドキドキしていると、ガンネル皇帝は「愛妻家の皇帝が治める国ならば、今後もよい関係が築けそうだ」と楽しそうに喉の奥で笑い、自国へと引き返していく。
パゼル国の民もセレアに感謝の言葉を個々に投げかけながら、それに続いて帰国していった。
その場にイザナギ帝国の人間が残り、それぞれが顔を見合わせると民や兵から歓声が上がる。
お互いの無事を喜ぶ姿を見て、戦争したい人間などどこにもいないのだと思った。