軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「私もほかの誰でもなく、あなたを愛しています」


 言葉では言い表せないほどの想いを、どうしたら伝えきれようか。悩んだ末にこの胸に絶え間なく湧き出る想いの洪水を、ぶつけるようにして彼の頬に口づけた。


「――なっ」


 不意打ちに触れる唇の温もりに、レイヴンが息を詰まらせたのがわかる。いつも冷静で簡単に平常心を乱さない彼が、柄にもなく動揺する様子にくすっと笑ってしまった。


「どうしようもないくらい好きなのです、愛しの旦那様」

「我が妻は意外とお転婆らしい。また新たな一面を知った」


 顔を離すと恨めしそうな、それでいて照れくさそうにやんわりと頬を上気させるレイヴンと目が合った。



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