軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


 引き攣りそうになる喉の筋肉を深呼吸でほぐして、孤独な神殿の中で唯一セレアの心を壊れる寸前で引き留めてくれた幼馴染の顔に視線を縫いつけた。


でないと、彼から逃れようとして俯いてしまいそうだから。


真っ正面から自分と向き合おうとする彼の心を踏みにじるようなことはしたくなかったので、気を強く持つ。


「私は隣にいるレイヴンを愛してるの。だから……だから、その気持ちには答えられない」


「ありがとう、きみはかけがえのない幼馴染だ」


 彼はどこまでも優しい。心にもないひと言で、セレアが気まずくないように今までの関係を貫こうとしてくれている。幼馴染として、側にいてくれると言ってくれている。


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