軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「幼馴染ですから、大事なことには変わりないですけど……」


「俺には入り込めない信頼が見える……」


 そこまで言って、レイヴンが黙り込む。


普段、彼は言葉を濁したり意見することに迷いを見せることが少ない。なので余計に心配になり、顔をのぞき込むと瞬時に横を向かれてしまった。


「あの、ご気分がすぐれないのですか?」

「〝すこぶる〟悪い」


 苛立ちを滲ませて早口に言われる。なにか、怒らせるようなことをしてしまったのだろうか。内心ハラハラしていると、ひとつ咳払いをして彼は続けた。

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