軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「正直言って、嫉妬している」


 セレアの声を遮って、耳を疑うような単語が飛んできた。


(レイヴンが……嫉妬!?)


 胸の内で復唱してみるが、冷静沈着な皇帝である彼が自分に対して嫉妬の念を抱くなんて信じられない。


「この花びらでさえ、お前に触れることを許した覚えはない。お前は俺だけのものだ」


「もしかして、花びらに口づけをしたのは……」

「俺ので上書きしてやったんだ」


(ええっ、なんという嫉妬深さ)


 見た目には出ないが、激しい熱情をもった殿方なのかもしれないとセレアは思った。


 そんな彼が愛おしい。自分を求めるあまり生まれた妬みさえも、可愛らしく思えてしまう。


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