軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「ですが、皇帝陛下に馴れ馴れしい口調はできません」

「俺は皇帝である前に、お前の夫だろう」


(どうしましょう)


 一度決めたら、彼は肯定以外の答えは納得はしない。意志の強さは魅力ではあるが、まさかこんなところで弊害が出るなんて考えてもみなかった。


「ほかの者に示しがつきません」

「ふたりきりなら、いいだろう。いいか、これでも妥協したのだ」


 つまり、もう拒否するなという意味なのだろう。ムッとしたような彼の顔とは反対に、セレアの顔にはみるみると煌く笑みが浮かぶ。


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