軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「嬉しいわ、レイヴン」
滑らかに素の自分で言葉が出せた。彼が皇帝の前に夫だと言ってくれたから、変に意識せずに砕けた口調で話しかけることができたのだと思う。
レイヴンは一瞬、息を詰まらせたように見えた。でもすぐに、愛しいと全身で伝えるかのような熱い抱擁をくれる。
「俺の方が何倍も歓喜している。愛しい我が妻よ」
吐息ごと奪うように強く重ねられた唇に、そっと目を閉じた。
(息もできないくらい、あなたが好き)
この口づけが終わるとき、セレアはそう伝えようと心に決める。
だからそれまでは、しばし彼から与えられる花よりも甘い温もりに酔いしれようと身を任せた。