軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「お前となら、たとえ地の果てでも笑って過ごせると確信している」

「その気持ちが嬉しいわ」


 ますます、愛が募る。きっと、愛には底がないのだと思った。


 心の底から弾けんばかりの笑みを浮かべると、繋いだ手にレイヴンが力をこめるのがわかる。

「少し、抜け出すぞ」

「え?」


 セレアの答えを待たずに、レイヴンは手を引く。そのまま攫われるようにして広間から抜け出すと、庭園へやってきた。


シラユリの花は昼間のまばゆい活発な顔とは違い、月光の光を浴びてどこか厳かに見える。


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