軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「まだ、目覚められていないのね」


 朝用意したお粥はナイトテーブルに置かれたお盆の上でカピカピに干からびており、彼がこのまま目を覚まさないのではないかと心がざわつく。


(この調子では、お昼のお粥も無駄になりそうね)


 新しいお盆をナイトテーブルに乗せ、彼の眠る寝台に腰かけるとその端整な顔をのぞきこむ。


「どうか、あなたに神のご加護がありますように」


 窓から差し込む日差しに透けた、紫黒の髪を手で梳く。触り心地がよく、しばらく指先で感触を味わっていると、ふいに手首を掴まれた。



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