軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「その話、詳しく聞かせてくれ」
「は、はい。聖女の生き血を不死の祝福と称して配るとか」
(なんだと?)
全身の血が沸騰しそうなほどの怒りと嫌悪感が沸き上がる。
「くだらんことばかり考るな、あの愚者は」
聖女を不在にした期間に失った、民からの信頼でも得ようと考えているのだろうか。
「では、それを逆手にとりましょう。皆がまだ、忠実に大神官の言葉に従っているように見せかけて隙を突くのです」
べリエスの提案に「おおっ」と民衆がわく。犠牲の下で生きることに、心痛めない人間などいなかったのだ。偽りの神の元に集っていた彼等は、今やひとりの少女を救うための同志として戦う意思を見せていた。