軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「じゃあ、俺たちも信者に扮して潜入するんだな?」


 アグニの言葉に「ああ」と答えて、港に集った百人ほどの民衆を見渡した。



「これより、我らの誇りを賭けた聖戦を行う」


 言いながら、腰の剣を抜き放ち天へと掲げた。太陽の光が反射して、銀の閃光が瞬くのを皆が眩しそうに見つめるのがわかる。


「義は、我らにある!」


(待っていろ、お前は俺が攫い返してやる)


 咆哮の如く叫ぶと、空気を震わせるほどの歓声が上がった。


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