軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「聖女様、あなたが望むものを差し上げる」


 願えと、顔を上げた彼のヴァイオレットの瞳が告げた。出会ったあの日から、お互いの関係は恩人から夫婦へと大きく変わったが、変わらぬものもある。


 彼の絶対的な意志の強さを宿す、この瞳。彼はこの目で、力強い言葉で、セレアが喉から手が出るほど欲したものをくれた。


 走馬灯のようにあの日々が瞼の裏に蘇り、こんな状況だというのに安堵の笑みがこぼれる。


(この人は、私の願いを絶対に叶えてくれる)


 信じているからこそ、言葉にしようと大きく息を吸った。


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