軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「私をどこまでも攫って。あなたとどこまでも一緒に生きていきたい!」
「今度は恩返しなどではなく、たったひとりの愛しい妻の願いとして叶えよう」
満足げに笑った彼はローブの留め具に手をかけて、バサリと剥ぎ取った。
現れる、黄昏時の空のような深い紫の髪。黒の軍服に身を包み、腰の剣を抜き放った彼の姿を見粉うはずがない。
「レイヴン、来てくれたのね!」
「当たり前だ、俺はお前の夫だぞ」
(レイヴンがいる、もう大丈夫だわ)
耐えきれず「ふっ」と嗚咽が唇の隙間からこぼれて、涙が視界を歪めていく。おさまりきらなくなった涙がゆっくりと頬を伝って流れると、レイヴンが強く地を蹴った。
「誰か、あの男を取り押えろ!」
剣を手にセレアを囲む神官へ詰め寄ると剣柄で峰内を決めて、あっという間に神官兵を倒していく。その鮮やかすぎる手腕に、神官たちは成す術なく地面に転がっていく。