軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「なんだ、変な声をあげるな」
「私は聖女ですよっ、男性の体を見ることは許されませんっ」
(なのに、平然と裸で前に立たないでほしいわ!)
色々、見てはいけないものが視界の端に映ってしまった気がする。それらの記憶をまるごと海に投げ捨ててしまいたい気分だった。
それは残念ながらできないので、両手をぎゅっと握りしめて記憶を抹消しようと強く目を閉じる。
そんなセレアの耳に「聖女? そうか、お前が……」という彼の声が入ってきたのだが、それに反応する余裕は今のセレアには皆無だった。
「だが、脱がせたのはお前だろ」
「違いますっ」
彼の誤認を解こうと振り向いたセレアは、すぐに自分の行為を後悔した。
前ボタンが全開の状態で、あられもない姿をしたレイヴンとばっちり目が合う。頭からボンッと湯気が出そうになり、卒倒しかけた。