軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「そうだ、ご飯を作ってきたんです」

「いらん」


 思い出したかのようにお粥を差し出すと、即答で断られてしまった。


(せっかく手作りしたのに……)


 彼がどれくらいの日数をかけてこの島に漂流してきたかはわからないが、今日の朝食も食べていないとなると少なくとも二日はなにも口にしてないことになる。


祈りが通じてようやく助かった命だから、セレアはなんとしても守りたかった。


「食べないと力が出ませんよ?」


 しょんぼりしながら差し出した手を引っ込められずにいると、レイヴンは横目にセレアを見て深いため息をついた。


「それを口にして、死んだらどうする」

「お粥で死んでしまう病気なのですか?」


(私は初めて聞いたけど、他国では有名な病気なのかもしれないわね)


 セレアは大真面目に答えたのだが、返答がよろしくなかったらしい。レイヴンは唖然とした後で、額に青筋を浮かべた。


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