軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「どうしてそうなる……そこは毒だろう」


 冷めたヴァイオレットの瞳にギロリと睨まれて、ビクリと肩を震わせる。


 それを聞いたセレアは、とんでもないと慌ててかぶりを振った。


「ど、毒なんて入ってません!」

「それを証明するものはあるのか?」


 ジトリと呆れを含んだ半目で問いかけられる。宙を見上げて「うーん」と唸りながら考えを巡らせるとすぐに閃いた。


「なんでしたら、私が毒見します!」


(毒の心配だなんて、今までどんな生活をしてきたのかしら)


 セレアは驚きながらも、彼のお粥をひと口食べてみせた。作ったのはほかの誰でもなくセレア自身なので、躊躇せず嚥下する。


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