軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「ほら、大丈夫でしょう?」


 安心させるように微笑めば、ばつが悪そうな顔でお粥を渋々受け取るレイヴン。それでもまだ、親の仇でも見るようにお粥を睨んでいる。


 しばらくして怪しむようにそろりと匙を口に運んだ瞬間、その瞳がパッと輝いた。黙々と手を動かしてお粥を頬張っているところを見ると、口には合ったらしい。


「レイヴン、食べながらでいいのですが聞いてくださいますか?」


 声をかけると、レイヴンはこちらを見ずに頷く。


 話というのは、この神殿で彼を安全に匿う際の注意事項を話すためだ。


「ここは神官以外立ち入り禁止の神殿です。それどころか、他国の人間がこの島にいることすら罰せられる場所です」


 食事の手を止めずに、レイヴンは耳を傾けてくれている。セレアは笑みを消して、真剣な面持ちで続けた。

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