軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「レイヴン、どうかしましたか?」


 不思議に思って声をかけると、スッと視線を逸らされてしまった。その仕草の意味がわからなかったセレアは首を横に捻る。


(なにか、話でもあったのかな)


 なんせ、彼は口数が少ない。意見や用件はハッキリ言うが、世間話の類はセレアから振らなければ一切始まらない寡黙な人である。


「お前の清く澄んだサファイアの瞳と、白銀の髪は生まれつきか?」

「私の瞳と髪……ですか? ええ、生まれつきですよ」


 この島では太陽の照り返しが強く、肌も色黒の人間が多い。


 しかし、聖女や神官に関しては獅子王がアルビノであるために、できるだけ肌を白く保つよう言われている。


 だから神殿の人間が着る服は日光から肌を隠せるように、袖や丈が長く作られているのだ。


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