軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「この世の穢れを知らない、神聖な美しさだな」
「そ、そうでしょうか?」
(驚いた。レイヴンが褒めてくれるなんて)
心臓がドキドキして、セレアは服の上から胸をおさえる。それなのに動悸はおさまるどころか、激しくなっていった。
そんなときだ、部屋の唯一の明かりであるランプの炎がパッと消える。暗い視界の中、立ち上がって天井から吊り下げられたランプを手に取ると、オイルが切れていることに気がついた。
「私、小務官にオイルをもらいに行ってきますね」
(それに、変な空気のままレイヴンとふたりきりは気まずいわ)
瞳や髪を美しいと褒めてくれた時の彼の瞳は、心なしか艶を含んでいるように見えた。あの目を思い出すと、それだけで全身が火照りだす。