加奈の場合
今の私は皐月の兄の理雄さんに失恋、そんな私をまだ好きだと言ってくれた皐月。
気になるに決まってる。
調子のいいバカ女と言われてもいいと思うくらい、今 皐月が気になる。
私に答えを求めないまま、いつもどおりの皐月だった。
それから学校で気づいた。
皐月は私が知らなかっただけで意外とモテていた事。
ちょっと悔しくて、腹が立つ。
「 あれ 加奈じゃん、何、また永瀬君?」
「 うんまぁ… でもいないね 」
どこ行ったんだか……
「 最近、よく告られてるみたいだよ~ 」
それを聞いて、私の中で何かが弾けたみたいだった。
うぬぼれもあった、皐月に告白された私を無視して、私意外の誰かと付き合うなんてあり得ないって。
でも、そのうぬぼれは崩れた。
皐月が告白されてる現場を見たら、崩れた……
取られたくない、そんな欲を抱いた。
だから、気づいたの。
告白してた人が立ち去り、動かないままの皐月の元に行った。
「 皐月… 何よ、モテモテじゃん 」
「 顔、引きつってる 」
そりゃ、引きつるよ!
「 なんて返事したの?」
「 …… 」
この無言が何とも気持ち悪くてたまらない。
断ったんだよね、そう聞きたいのに聞けるわけなくて……
皐月… まさか付き合うの?
そう思った時、私は皐月の制服を掴んでた。
見上げる皐月へ見せる私の顔は……
不安でいっぱいで、今にも泣きそうな顔をしていた。
「 俺が一途って… わかってない?」
あ……
「 俺が好きなのは、加奈だ 」
皐月……
「 諦めて、俺の彼女になったら? 」
皐月……
「 好きだよ、加奈 」
そうだよ、知ってる。
皐月は私が好きなんだよ。
私は……
「 うん、私も 」
理雄さんに恋をしたけど、本当に恋する相手は皐月。
始まったばかりの恋。
完。


