学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
「…鈴香ちゃんって、好きな…人とか…いるのかなー?って」
「え〜突然何ー?」
鈴香ちゃんは肘で私の腕をツンツンとしながら笑う。
「ごめんね。急に変なこと聞いて…」
もし、ここで柊くんが好きだなんて言われたら、それこそ私はどうするんだろうか。
本当に聞いていいの?
あたりはもうオレンジ色で、あちこちに今から花火大会に向かうらしい人たちも何組か歩いている。
「あ、やっぱりいいよ!言いたくないこととかあるよね…」
ぴたりと黙った鈴香ちゃんを見て、慌ててそういう。
やっぱり聞かない方が良かった。
「…いるよ、好きな人」
目の前の彼女は、静かにそう呟いた。