学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます


「ごめんね、静音」


「え?」


「今日はそんなモヤモヤをどーにか忘れたくて、誘ったのもあるんだ」


「モヤモヤ…」


それなら私も同じだ。


柊くんや鈴香ちゃんの仲を疑って、ずっとモヤモヤしている。


失礼だ。


けど、鈴香ちゃんと柊くんが、まだ付き合ってないってことがわかって、ホッとしている。


最低だってわかってる。



「だから今日は楽しむ!私と静音、2人で!」



目の前の彼女はこんなに私のことを想ってくれているのに。


悠ちゃんの目撃証言も、土田くんの話も、


一体どっちが本当なのかな。


ううん。本当のことなんて、本人にしかわからないよね。


「ありがとう。鈴香ちゃん」


そのセリフに、「ごめんね」も込めて。


2人で花火大会の会場へと向かった。


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