学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます


「うわ〜!ほんっといっぱいで、どこに2人いるかわかんないや」


「そうだね…」


河原に着いてキョロキョロと辺りを見回しても柊くんや土田くんらしい人が見当たらない。


花火は4人で見ようって、メッセージのやりとりでも話していたのに。


「そろそろ始まるんじゃね?」


どこからかそんな声が聞こえたので、慌てて携帯を開くと、時刻は7時30分。


花火が上がる予定の時間だ。


「まじか…土田たち、人が多すぎて動けなくなってるって」


土田くんとメッセージのやりとりをしてた鈴香ちゃんがそういった。



「え、そうなんだ…」


「仕方ない。あっちは男2人で楽しんでもらおう」


「…うんっ、そうだね」


動けなくなってるなら仕方がない。


私の隣には鈴香ちゃんがいるんだもん。


柊くんと一緒に見たかった、なんて図々しすぎる。



「静音…」


「えっ?」


不意に隣から、静かに名前を呼ばれた。


人の多さと声であまりよく聞こえなかったけど、たしかに鈴香ちゃんの声が、名前を呼んだ。


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