学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます


「残念だったよ…4人で見られなくて」


人が減ったおかげで、スムーズにこちらに向かってきた土田くんが眉毛を下げてそう笑う。


「2人とも、とっても似合ってる」


っ?!


後ろから土田くんを追いかけるようにやってきた柊くんが私たちにそういった途端、繋がれていた手が離れた。


「あ、これね、鈴香ちゃんにもらったんだ」


「へ〜、高城にしては意外だな」


「は?うっさいよ。だから静音にあげたんだし」


土田くんのセリフに、鈴香ちゃんがイラついたように返した。


どうしよう。


鈴香ちゃんの顔がちゃんと見られない。


「静音、どうした?」


「えっ、」


声をかけられて俯いていたと気付く。


会いたかった柊くんに会えているのに、今は、鈴香ちゃんのことで頭がいっぱいだ。


「ごめんなさい。ちょっとはしゃぎ過ぎちゃったのかも。こういうの初めてだから」



「じゃあ、どこかで少し休もう。あそこにベンチがあったから…」



「あっ、」


柊くんは、優しく私の手を取るとゆっくりと歩き出した。


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