学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます

「開けて…いい？」


優しくそう聞く柊くんに深く頷き返す。


「うわっ！やった！すっげ〜うまそ！食べていい？」


すごく嬉しそうに笑う柊くんの顔を見る限り、お世辞でも演技でもない気がした。


私は、また深く頷いて用意してた割り箸を柊くんに差し出す。


「いただきますっ」


柊くんはそう手を合わせてから、タッパーの中に並んだ春巻きをお箸で持って豪快に口の中に運んだ。


お口にあったかな。
なんていうかな。


緊張で心臓バクバクな状態で、息を飲んで柊くんの感想を待つ。



「うっっま！！緒方さん、料理すごい上手じゃん！」


「いや、これはそんなたいしたものじゃ…」


「ううんっ！たいしたものだよ！すごいうまい！」


目をキラキラさせてそういう柊くんに今までの緊張が嘘だったみたいに溶けた。


本当、いい人だなぁ。