それもまた一つの選択
しばらくそのまま抱き合っていた。
トキさんの体温が伝わってくる。
その温かさがたまらない。
自分の中に今までなかった感情が押し寄せて泣きそうになる。
「えー…」
咳払いと共に聞こえた声に私もトキさんもビックリして固まった。
高橋さんが氷点下の視線をこちらに投げかけている。
「…バイトじゃなかった?」
トキさんの声は動揺する事もなく淡々と。
「暇だから帰って来たんだ」
高橋さんは手に持っているビニール袋を開けて中身を冷蔵庫に入れた。
「そのままだったらここで最後までしてそうだな」
「見たかった?」
トキさん、わざと私の身体を抱きしめる。
「…いらん。
藤野、本当にいい加減にしろよ〜!
万が一、そういうのを見てしまう事があればお前は別にいいけど、よーちゃんが可哀想だよ」
高橋さんは気の毒そうに私を見つめている。
「だからルールは守れよ。
俺、お前に色々してもらっているから偉そうに言えた義理じゃないけどな」
高橋さんはニヤッ、と笑って私に手を振ると隣の家に入っていった。
やっぱり羨ましい。
トキさんには高橋さんみたいな友達がいて。
あんな風に意見を言ってくれる人がいる。
「トキさん、幸せ者だね」
トキさんの顔を見上げた。
「そうだな」
トキさんも私を見つめて微笑むと私をお姫様抱っこして
「これ以上、ここですると高橋に絶交されるから向こうへ行こう」
トキさんは軽々と私を抱っこしたまま歩き始めた。
トキさんの体温が伝わってくる。
その温かさがたまらない。
自分の中に今までなかった感情が押し寄せて泣きそうになる。
「えー…」
咳払いと共に聞こえた声に私もトキさんもビックリして固まった。
高橋さんが氷点下の視線をこちらに投げかけている。
「…バイトじゃなかった?」
トキさんの声は動揺する事もなく淡々と。
「暇だから帰って来たんだ」
高橋さんは手に持っているビニール袋を開けて中身を冷蔵庫に入れた。
「そのままだったらここで最後までしてそうだな」
「見たかった?」
トキさん、わざと私の身体を抱きしめる。
「…いらん。
藤野、本当にいい加減にしろよ〜!
万が一、そういうのを見てしまう事があればお前は別にいいけど、よーちゃんが可哀想だよ」
高橋さんは気の毒そうに私を見つめている。
「だからルールは守れよ。
俺、お前に色々してもらっているから偉そうに言えた義理じゃないけどな」
高橋さんはニヤッ、と笑って私に手を振ると隣の家に入っていった。
やっぱり羨ましい。
トキさんには高橋さんみたいな友達がいて。
あんな風に意見を言ってくれる人がいる。
「トキさん、幸せ者だね」
トキさんの顔を見上げた。
「そうだな」
トキさんも私を見つめて微笑むと私をお姫様抱っこして
「これ以上、ここですると高橋に絶交されるから向こうへ行こう」
トキさんは軽々と私を抱っこしたまま歩き始めた。