虹のふもと
「はは。男だから。なんて言われなくても、

学ラン着てるんだからわかるよ。」



あっ。と思っているとまた少女、宇佐美さんが楽しそうに笑う。


「なんでそんな笑ってるの。」

気づいたら僕はそんなことを口にしていた。



「そんなの決まってるでしょ。



ひなたくんに会えたのがすっごく嬉しいから」


そんなことを言われ、



開いた口が塞がらない。




いったい何を話しているんだろうか。



まるで昔あったことがあるみたいな言い方をするところがますます謎だ。


「僕にあってそんなに笑える?楽しくないよね?」




宇佐美さんはキョトンとして、楽しいよ?と言う。

そう。僕が小さく呟いたのに気づいたのか



気づかないのか構わず宇佐美さんは


ブランコをまた漕ぎ始める。


もうすっかり日は沈んでいて、




いつの間にか当たりは真っ暗になっていた。






「ねえ、宇佐美さん。もう真っ暗だよ?

帰らないの?」


こんな暗い時間に、女の子が外にいるのは危険だろうと思い、問いかけると







なぜか宇佐美さんは、






怒った顔押した。




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