愛を知らない一輪の花 〜after story〜
浴室から出て、寝室に向かった。
大きなベットに小さく丸くなって、穏やかに寝息を立てている百合を見て、微笑む。
想像もしていなかった。
百合を手放したあの時は、、、。
こんな幸せな日々を。
後から聞いた話だが、駅前支店スタッフと透が背中を押してくれたらしい。
百合だけを想ってきた17年間。彼女以外考えられなくて、独身を覚悟した。
それが、今はこうして同じ時を過ごせる。
いつだって抱き締められる。
そんな幸せを感じながら百合を抱き寄せ、蓮も深い眠りについた。