さすれば恋となる
なぜショックを受けてるか……
付き合い初めてから毎日、自分でも予想外に気持ちが緋衣呂君に向かってるから。
これはもう、好きの感情。
改めて胸がキュー… とする。
手を繋ぐ事を拒否されて思い返す……
「 詩乃、何してんの?」
「 今 胸がね、苦しいの 」
「 あ~ 詩乃だけAをBに見せるブラだから苦しいんじゃん 」
まったく、悔しいったら!
いいの、二人には私の気持ちわかんないから。
「 私… 緋衣呂君が好き 」
「 はいはい、初めはみんなそうだよ 」
は~ 意地悪言う緋衣呂君。
それだけ私が好き?
思われるって、すごい。
「 ねぇ 彩音、詩乃ってメイドにしたくない?」
「 あ、わかる~ 下僕的なね。池沢 緋衣呂の下僕? ぴったりかも 」
私の耳には入ってない香と彩音の密やかな話。
しばらく話題はつきないと楽しそうだった。
そして、最後まで手を繋いでくれなかった緋衣呂君。
「 じゃあね、詩乃 」
「 あ、うん… 」
くぅ~ 寂しいっ……
でも 好き。