さすれば恋となる
送ってくれた緋衣呂君の後ろ姿……
今、私の中でとても切ないバラードが流れている。
“ねぇ あなたを思い見つめるの…”
“離さないでいて、私の心を…”
“道行く先にはあなたがいるから、私を連れて行って”
切ない……
私を振り返って、緋衣呂君。
願うは緋衣呂君の…
クルリといきなり振り返って私を見る緋衣呂君が、私へ見せたその笑顔。
ふわりとした微笑み。
ドキンッ……
告白されていなければ、こんな緋衣呂君を見ることは出来ない。
恋だ、私は緋衣呂君に恋してる。
改めて実感した心にある思い。
「 緋衣呂君…… 」
私… こんなに、緋衣呂君が好き?
ヤバい、息しなきゃ……
緋衣呂君が見えなくなるまでずっと見ていた。
秋の風は冷たいのに、私の体は火照っていた。