さすれば恋となる
「 ただいま 」
叔父さんはまだ帰っていない。
胸が一杯で夕飯が食べられそうにない……
そんな私は冷蔵庫にあるものを散々食べた。
恋をすると、食べられないと聞いたことがあるが、私は逆だった。
漬け物のたくあんでさえ、この上なくうまい。
く、苦し……
あ、でもチョコ食べたいかな。
チョコ食べたらポテチ…… いや、ダメ、太っちゃう!
緋衣呂君の彼女としてスリム美人じゃないと!
我慢は美徳なり。
シャワーを済ませ少々の勉強。
そして海外ドラマを見る。
ンフフ……
このドラマ、最高にいい。
なんたって死神レイシフが人間に取り憑いて、悪い奴等を懲らしめ魂を吸い取ったり良い行いをしていく話。
ただ、死神なのに恋まである。
たぶん最後としては、別れという悲恋になるかもしれない私の予想。
ドラマという、終わりへ向かうまでの過程が大好きなのだ。
見ているうちに叔父さんは帰ってきて冷蔵庫からビールを飲む。
「 詩乃、ただいま 」
「 ……おかえり! お疲れ様だったね、今日も忙しかった?」
「 それなりにな。詩乃はどうだった?」
あ~ 聞いちゃう?