さすれば恋となる

自己紹介の後、緋衣呂君が偶然会った事、相瀬 実理さんはお姉さんと来ていることを知った。

でも、私にとっては不運だった。

実理が緋衣呂君がいるにも関わらず、堂々と言ったのだ。



「 私、池沢君に告白してフラれたの。あなたと付き合う前に 」



この告白が突き刺さった。

私よりも断然可愛い実理、緋衣呂君は私を選んでた。

そして不思議に思う、なぜ私?と……

でも、この不運がいきなり幸運に変わった。




「 詩乃、行こ。相瀬 またな 」

「 うん、またね。須田さんも 」

「 またね 」




実理の前で私に手を出した緋衣呂君。

一瞬戸惑ったが、私は緋衣呂君の手を握った。

もう泣きそうなほど嬉しい気持ち……


これはもう、実理さんと会ったおかげ。


感謝しきれないほどだった。



「 繋がないはずが、見せつけたくなったな 」

「 緋衣呂君… 」



それは以外すぎるよ、緋衣呂君。

あんなに繋ぐの拒否してたのに……



ずるいよ、緋衣呂君……





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