さすれば恋となる
ギュー… と、緋衣呂君を抱きしめた。
というより、抱きついている私。
緋衣呂君の手は私を包み込んでくれようで温かい。
「 詩乃、戻らないと 」
「 ん~ このままがいいなぁ なんて 」
「 このまま…… 静かな図書室で俺が詩乃を困らせるような事したらどうする?
声すらあげられないよ 」
ん?
それは~ 例えば、何?
「 緋衣呂君、声すらあげられないような事って何… っ、ひゃ 」
グリンと体が回され緋衣呂君に背を向ける。
後ろ髪を分けられ、首筋に…… キス。
やかましい心音が響きそうで、私は真っ白で、緋衣呂君色に変わる。
「 緋衣呂、君っ… 」
「 詩乃は俺のだから、いいね?」
「 う、うん 」
うわ~ 私、もう緋衣呂君の所有物だ。
いいの、私嬉しいよ。
あ~ 首が熱い。
二人で図書室から出ると、私を探していた香と綾音が走ってきた。
その後ろには風磨君が。
「 あ、石嶺 風磨」
「 香 知ってるの?」
「 知ってるよ、イケてるから何気に有名だしね 」
まぁ、イケてると思うけど……
やっぱり緋衣呂君が一番でしょ!