さすれば恋となる

ギュー… と、緋衣呂君を抱きしめた。

というより、抱きついている私。

緋衣呂君の手は私を包み込んでくれようで温かい。




「 詩乃、戻らないと 」

「 ん~ このままがいいなぁ なんて 」

「 このまま…… 静かな図書室で俺が詩乃を困らせるような事したらどうする?
声すらあげられないよ 」



ん?

それは~ 例えば、何?



「 緋衣呂君、声すらあげられないような事って何… っ、ひゃ 」



グリンと体が回され緋衣呂君に背を向ける。

後ろ髪を分けられ、首筋に…… キス。


やかましい心音が響きそうで、私は真っ白で、緋衣呂君色に変わる。



「 緋衣呂、君っ… 」

「 詩乃は俺のだから、いいね?」

「 う、うん 」



うわ~ 私、もう緋衣呂君の所有物だ。

いいの、私嬉しいよ。

あ~ 首が熱い。



二人で図書室から出ると、私を探していた香と綾音が走ってきた。

その後ろには風磨君が。



「 あ、石嶺 風磨」

「 香 知ってるの?」

「 知ってるよ、イケてるから何気に有名だしね 」




まぁ、イケてると思うけど……

やっぱり緋衣呂君が一番でしょ!



< 60 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop