さすれば恋となる
不意打ちのドキドキは半端なくて、心臓がヤバいから参った。
この心音を誰かに聞かせたいくらい、ドキドキしてる。
緋衣呂君の腕目掛け、走る。
そして捕まえて、また離さないで歩く。
「 詩乃、ドキドキさせたい 」
「 えっ!」
それ、どんなドキドキ?
「 どんなことしてドキドキさせようか… 」
緋衣呂君の目が、ちょっとやらしく見えてしまい腕にギューッとしがみついた。
困ったな…
私は毎日ドキドキでいっぱいなのに……
緋衣呂君を見るだけでこんなにも、舞い上がっちゃうよ。
緋衣呂君…… 大好き。
「 ねぇ 緋衣呂君 」
「 ん~?」
「 何でもなーい 」
ギュッとまた体を寄せると、緋衣呂君が私の頭をコツンとした。
些細な事が大きく幸せだ。