さすれば恋となる
こうして緋衣呂君と歩くのが嬉しいと思いながら… 心が寂しがってる。
本当は泣きたくてたまらない。
聞いて知ってしまった緋衣呂君の命はガラスと同じだと言うこと。
小さな傷は見えなくても、それがいつどんな形で広がり、いつ崩れてしまうのか……
今……
緋衣呂君の腕を離したらいなくなりそうで怖い、すごく怖いの。
「 詩乃?」
「 あ… 実はお腹空いちゃって~ 」
「 ドーナツでも食べる?」
「 いいの!」
「 食べたら脂肪に変わるだけだ、詩乃は変わらないだろ?」
うっ それはつまり、太るし、太るなって事?
ドーナツ~……
緋衣呂君と食べたいけど、ん~
「 緋衣呂君、意地悪だね 」
「 楽しいからね 」
えっ!?
「 そんなぁ… 」
落ち込みながら緋衣呂君に目を向けると、緋衣呂君が笑ってた。
今日の笑顔、最高です。