さすれば恋となる

結局ドーナツを食べに緋衣呂君と行く。

帰り道が伸びて嬉しさが倍になった。



「 私、叔父さんにお土産にして買ってこ 」



ついでに私の夜のおやつ。



「 詩乃、ドーナツは1個 」

「 えー! な、なんで… ドーナツだよ? こんなにいっぱい種類あるのに1個?」



ご、拷問だ……

緋衣呂君、ドーナツ1個で私は満足出来ない体なのっ



意地悪な笑みの緋衣呂君。

そんな顔も実は好き。

食べたいのを我慢すると、なぜか緋衣呂君が私のトレーにドーナツを1個乗せた。



「 俺の分、食べていいから 」



緋衣呂君……



「 甘いの苦手だから 」

「 いいの?」

「 いいよ、ドーナツより甘い詩乃がいるから 」



ドキュンって、何かがいきなり刺さった感じ。

もう衝撃的。

今の緋衣呂君の顔、私をトロトロに溶かしてる。




< 67 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop